デザイン
火曜日, 28 6月 2005
優秀で自分より若いクリエイター達と日々過ごしていると、自分の身体を使ったデザインと決別する日が近づいていることを日々感じます。フィジカル的にはよりしなやかな動きを携えて望む者へデザインの機会のバトンを渡し、自分としてはより「思想」や「発想」へと興味が強くなってゆく。平野さんは「デザインの理念と実践」という本をつくられていますが、その「実践」というものは実質的に自分の手を離れ、高い技巧のもと形になっていく。そんな日々を過ごしています。いや、「実践」とは思想や発想をすべて包括したことかもしれません。とにかく、毎日、ものを考えたり、企てたり、説得したり、悩んだり、読んだり、話したり、食べたり、寝たり、運んだり、座ったり、運転したり、想像したり、聴いたり、見たり、買ったりということと「描く」という行為がイコールではなく、その一項目としての「描いたり」ということになってきたなあと感じます。蒸し暑い日にしか考えられないデザインも、切羽詰まった時にだけ考えられるデザインも、その瞬間瞬間の出来事が作用して、発想へとつながっていく。そして、バトンを渡したデザイナーがその持ちうる技巧や感性によって表現される。僕はデザイナーとしてではなくデザインの船頭として、地図に載っていない場所へと導かなくてはいけません。