家族とともに取り戻す血流

忙しさにかまけていると「視覚」「聴覚」の他にも感覚があることを忘れてしまいそうになります。僕はアウトドアアクティヴィティを家族との共通の趣味にしているんですが、キャンプなんかに行くことで本来の感覚を意識的に取り戻しに行きます。これがまた実にいい。じわっとなんだか体の中から感覚が湧き出てくるようなものがあるんです。ずっと正座をしていて感覚を失った足を解放し、じわじわと血流を感じながら戻ってくるあの感じに近い気がします。先日は台風が近づいているにもかかわらず家族と伊豆へのキャンプ。息子や娘達とニジマスを釣り、それをさばいて食べ、サツマイモを堀り、石焼にして食べ、山の温度を感じ、葉っぱが散ってゆく音を聴きながら眠りにつく。日頃、マウスかクルマのハンドル程度しか握らない手に本来の役割を大いに与えて、電子音からかけ離れた音の中へ身を投じる。子供達はよくみればなんだか生き生きしているように見えて、泥まみれなその姿が、いつものアスファルトの汚れよりもたくましく映ります。エアコンで麻痺した肌の感覚には、季節変わりの温度がしみわたり、動き回った後の自らの体温が汗を伴いながら、夜にかけて肌寒い気温のなかで、心地よさを生み出します。必要ですね、旅は、空は、土は。そして「家族」には大切です。血の通った営みが。

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