気付き力

最近、我が事務所のスタッフ達の「気付き力」に驚きます。企画書のスペルミスやメールの言葉足らず、などなど。細かいことなどこういうことの指摘は僕の役目だったのですが、気がつくと指摘される側になっている時があります。なんだか嬉しいし、頼もしいです。僕の最初の上司に一番最初に教わったのが「気働き」ということでした。そんな言葉も知らない18歳の男が、初めて教わった「働き方」。目から鱗のようなことで今でも強烈に覚えています。「気が利くなあ」っていうヤツですね。例えば「あのさ、ラフの映像作ったからDVDにしておいてくれない? 明日、ミーティングで持ってくからさ。」こんなオーダーはよくします。ここから何を読み取るか。気が利かないとおそらく、「できました」って焼いたDVDを持ってくるだけです。「チェックした?」「いいえ」「何枚焼いた?」「一枚です」「焼いただけ? タイトルのレーベルとか作った?」「いいえ」。です(トホ)。これが、「気付き力」を身につけるとオーダーから「ラフってことは今後仕上げになる途中だなあ。途中であることをきちんと表記したほうがいいなあ。DVDを何枚用意すべきかな。明日のミーティングは確かクライアントは3人出席だったなあ。全員には必要なくても2枚は必要かな。一応バックアップを含めて3枚だな。明日のミーティングに持っていくっていうことは今日上司が帰るまでに確認してもらわなきゃな。今、別のことやっていてどっちも急ぎだけど午後の隙間でできるなあ。PM6時にはできるなあ。上司が帰ってしまわないようにとりあえず上がりの時間は言っておこう。レーベルのタイトル用の文面聞かなきゃ。そもそも明日のミーティングでどうやってこのDVDを再生するのかなあ。Powerbook用意したほうがいいのかなあ。一応充電しとくかな。それと一応スピーカーとプロジェクタもスタンバイしとくか。映像の静止画もコマにしてプリントアウトしておこうかな。ミーティングの材料になるし。」と。ざっとこれだけはオーダーから読み取れます。オーダーから「ミーティングで映像を見せるための準備」であることを読み取る。決して「DVDを焼くこと」がオーダーではないこと。この差が「気付き力」だと思います。もっといえばここでは「ミーティングする人はどうするか」という立場に立った「想像」ができているということだと思います。想像力ですね。以前はプレゼンの前なんて全部100%の準備の完成を見届けないと気が済まず、帰れませんでした。今は違います。頼っちゃいます。時には僕が気付かなかったものまで準備されている時があります。本当に嬉しいし、頼もしい。そして何より「チームで仕事をしている」意味や意義があります。「気付き力」は信頼という、ただ単に時間やお金をかけただけでは得られないものを生み出します。それは、きっとデザインの成果と同じくらいのこの会社の価値で定着するはず。そんな力を少しずつ感じています。「気が利くなあ」っていいですよね。

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