アラ、余裕。

以前、友人がやったデザインの作品でほんの少し「アラ」が見えたので指摘したときのはなし。「あ、いっけねえ。こんなとこ見つけるなんてさすが」と言いながらも直さない。忘れているのかと思って、再度、指摘。「そうそう、そうなんだよね。まずいよなあ」と言いながらも直さない。そのうち僕も直されないその作品はこういうもんだと納得しはじめる。その後、別の用事で会ったときに話すと「うーん、なんていうかさ。追いつかないの。単純に。やりたいことがありすぎて。もうね、創ったもの見返す時間もない」と。ディティールには絶対にこだわりたいけど、きっとそれをやっていたら死ぬまでにやり残すことがあまりにも多すぎてきっとそっちのほうが後悔する。と。決して生き急いでるわけじゃないけど、その流儀、なんだか、かっこよく見える。昨日のことは忘れる。明日のことは考えない。今のことに集中する。上手ではないし、頭のいい流儀ではない。でも、きっと、溢れだすその「つくりたい」という欲求こそが作品の一部であることには違いない。僕が見つけたのは「アラ」ではなく、「余裕」なのかもしれないなあ。

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