まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている。
木曜日, 22 10月 2009
まだ、制作の渦中なのですが、昨日、NHKからスペシャルドラマ「坂の上の雲」の主題歌について、ついに正式発表された。作曲は久石譲さん、歌はサラ・ブライトマンさん、日本語の作詞は小山薫堂さん、演奏はNHK交響楽団。不肖未熟な私はこの主題歌が流れるタイトルバックの映像をディレクションした。オーケストラを指揮してのテーマ曲の録音に立ち会わせていただいて、初めて聞いた時には身震いするほどだった。感想を聞かれても、適切な言葉は見当たらない。素晴らしいと言ってはあまりにも簡単な言葉だし、かといって、言葉を重ねればなんだか野暮に聞こえる。ただただ、僕はその初めのまだまだ未完成と言われた最初のデモテープを自分のiPhoneに入れて、繰り返し聞き、タイトルバックの構想を練った。贅沢なほどの十分な時間をいただいて、アイデアに費やし、そして、もう仕上げまでギリギリというタイミングで撮影に踏み切った。とにかく、何せ司馬遼太郎氏の原作の「坂の上の雲」のエンディングのタイトルバックである。その時期、僕は同時に東京オリンピック招致のための映像も担当していた。2つの映像の重圧のあまり、不眠症のような夜を何日も経験した。そして、ドラマはいよいよオンエアまで1ケ月あまりとなっている。タイトルバックだけではなく、僕の事務所のスタッフはドラマの劇中のドキュメンタリー部分や宣伝用ポスターなども担当している。ひとつひとつ、丁寧に、何度も修正を重ねながら、それらの映像やグラフィックと格闘している。そして、その随所に、言葉が突き刺さる。本来なら作り手が作品に必要以上に感情移入してしまっては失格なのかもしれない。しかし、感情が高ぶらずにはいられない。「まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている。」。その言葉にこそ、何か、今の日本を重ねたくなるのは僕だけではないだろう。オンエアは11月29日。僕はあえてこう言いたい。就職を控えている人、卒業を控えている人、転職を考えている人、必ず見てほしい。と。社会人とは、お金を稼いで私腹を肥やすことではない。勤労し、税金を納めることだ。つまり社会に貢献する人、だ。そのことをあらためて教えられる。僕はこの作品に大いに救われている。そして、自分への問いのきっかけになっている。僕は、ちゃんと社会人ができているだろうか、と。