クリエイティブに必要なのは「才能」ではなく

森達也氏の著書「ドキュメンタリーは嘘をつく」を読んだ。何が「リアル」で、何が「演出」か、ということを様々な角度から検証し、そして、苦悩している。すごく、勉強になりました。一部はとても共感して、本を読みながら「そうなんですよね」なんて思わずボソリと独り言を吐いてしまったほど。僕自身はマスメディアやジャーナリズムという世界に身を置いたことはない。厳密に言えば、思いがけず加担していたかもしれないし、関わっていたのかもしれないけれど、僕本人にその自覚がないというのも言ってしまえば少々考えが浅いまま映像やWebに携わってるなとこの本を読んで身を引き締めました。少なくとも「メディア」に関わっている自覚はあるのでこういう「リアル」や「演出」という論議の渦中にいることは確かですし、自分は「発信側」にいてその発信は多かれ少なかれの影響をもたらしている。好評やそれと同時に酷評を受ける立場にあるわけだし、きれいごとだけの世界でもない。いや、むしろ「発信する責任」という面から言えば、それでご飯を食べている以上、どこまでいってもその責任は問われてしかるべきですね。思い返せばなんとも軽い気持ちで足を踏み入れたクリエイティブの世界は、つきつめたら社会が見えてきて、そして、知らず知らずに大きな責任が伴っているとひしひしと感じてしまう。そんな責任を放り投げてただやみくもに発信だけをしてしまうか、それとも責任を避けて発信をやめてしまうか、それとも責任をひとつひとつ背負い込みながら発信しつづけるか。そんなことが問われている世代にさしかかったということなんですね。クリエイティブに必要なのは「才能」ではなく、「勇気」と「信念」とそして、「責任」なのかもしれません。

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