マルヤガーデンズのCM。奇をてらわず、派手に振舞わず、斜に構えず、直球を投げる。みんなで。
日曜日, 25 4月 2010
去年の10月くらいから関わっていた鹿児島の「マルヤガーデンズ」いよいよ28日にオープンを迎えることになった。この日記を書いている今もスタッフの間ではものすごい勢いでメールが行き交っている。最終調整に余念がない。24時間体制で1000人近いスタッフが最後の仕上げに取り掛かっている。建築デザイン(この場合はリノベーションデザインなのかな)はみかんぐみの方々。プロデュースはウチのナガオカ。僕はCMとかWEBとか館内のサイネージなどのディレクションをしている。そして、僕とナガオカの率いるデザインチームはロゴマークから館内サイン、印刷物などのイメージデザインをたくさん担当した。デザインの現場はまさに作っては直しの連続だった。まだオープンしていないのに振り返るのも気が早いのですが、貴重な半年だった。なにせ、まず、百貨店(今回は百貨店とは言わないけれど)の再生の現場に関わるなど、そうそうない。ましてや、それが自分にとっては思いもよらなかった土地、鹿児島だったので、本当に思いがけない機会だった。何度も行き来をして、鹿児島を味わった。途中、何度も難しい場面に出くわした。東京のデザイナーに鹿児島の熱意が伝えられず、予算が少なくてビジネスとして断られたり、一緒に進めている方からも仕切りが悪いと苦言もいただいた。無理もない。いくら今「地方のデザインブーム」的なことが東京周辺で起きていたところで、実際のところは地方は依然厳しい経済状況だ。デザイン料の格差も開きがある。東京のど真ん中にオフィスを構えるデザイナーが地方のデザイン案件を簡単には請けられるはずもない。気分が落ち込んだ日が続いた。どうしていいのかわからない場面がたくさんあった。スケジュールを管理するどころか、立てられない。そのたびに鹿児島の方々の期待を頭に浮かべた。CMの撮影でも、徹夜が続いた日程を縫うようにして鹿児島に入り、悲鳴を上げる体にムチを打ってカメラに向かった。ひとつひとつ形になっていくものを見ながら、今、震えている。ほぼ出来上がって、あとはオンエアを待つCMを何度も見返しては「これでいいのか」とか「これでいいのだ」という言葉が行ったり来たりしている。まずは明日、関係者へのお披露目がある。そしていよいよCMがオンエアされる。僕はこれまでそこそこの数のCMをつくってきた。でもこんなにオンエアが緊張するのは正直初めてです。理由はわかりません。すこし前に天文館の交差点で3人の女性が出来上がるマルヤを見上げてこう話していました。「うれしいね。」と。マルヤが再生して、嬉しいと話している。そして、商売敵であるはずの山形屋さんが応援の垂れ幕を下げてくれた。だから、震えている。責任とか武者震いとかなのかもしれない。でも、きっとこの震えは今まで味わったことの無い「素敵なことがはじまる」ということを体が敏感に察知しているのではないだろうか。はじめは「面白そうだから」引き受けた仕事だった。途中で気付かされた。マルヤは鹿児島の財産だ。鹿児島を僕が演出するのではない。いや、僕がのこのこと演出してはいけない。自分が持っているほんのちょっと感覚を使って整理する役割だ、と。そしていろんな課題をいただいて、まるで学生のような気持ちでその課題をひとつひとつ提出した。僕は普段、自分のつくったものをことさら宣伝するようなことは少ないけど、今回は声を大にして言いたい。九州の方々、明日、マルヤガーデンズのCMがオンエアされます。奇をてらわず、派手に振舞わず、斜に構えず、直球を投げる。たった1日だけの放映です。是非、見てください。みんなでつくった珠玉のCMです。そして、東京の方々、是非、新しい観光地としてマルヤガーデンズを見て欲しい。東京ではできないことが垣間見れることでしょう。僕ら関わったデザイナーは東京に身を置くものたちでした。東京の人たちがデザインしたのではありません。鹿児島に魅せられた人たちがデザインしたのです。そしていよいよ28日にオープンです。熱のこもった場所です。