まずは「森の現場」から

九州に撮影で4日間、山に通った。朝5時に起きて夕方に帰る。クリエイターには似つかわしくない健康的な毎日(笑)。何を撮影してきたかはまだ公開前なので控えるとして、その撮影はほとんど「奇跡を狙いに」粘った4日間でした。人が手で作ったものを、合成やCGに頼ることなく映像化する。もしかしたらこんなことは映像屋の自己満足と言われてしまいかねないのですが、この数年、少なくとも僕の周辺にはそういう「手作り」な傾向にあります。そして、この4日間に味わった現場での鳥肌が立つような感覚はしっかりと映像に捉えられています。監督である僕の「はい、カット! オーケー!」の掛け声とともに現場の人全員がガッツポーズをする光景は自分たちがその道のプロであることを忘れるほど純粋なものでした。人を感動させるなんていうことはそんなに簡単なことではないし、小手先の演出でちょいと感動させてもすぐに忘れてしまうほどのたわいもないことになってしまいます。「まずは、現場にいるスタッフが鳥肌を立てること」これが今回の撮影隊の裏テーマだったと今、思い返しています。この撮影のための準備は去年の年末から始まっていました。九州大学の生徒の有志が中心となって、本当に頭の下がるような実験を日夜続けていました。何度かその実験の様子を見に九州へ通い、毎度、ほんの少しづつ成果が見えてきてはいたものの、その撮影に向けての成功の確立は決して高くはない。天気、気温、湿度、そしてその実験の成果。すべての条件を並べるとため息がでてしまうほどのリスクがある撮影。プロジェクトにGOサインを出すクライアントとプロデュースチームの心意気と、それに応えようとするスタッフ。現場ではそんな空気が蔓延し、調子にのって予定にない撮影方法の指示を出す僕に、張り切って応えてくれる特機の方々や撮影の方々。冗談半分で「野生の鹿を撮影してきてほしい」という僕の指示に数日間山に潜んで撮影してくるスタッフ(笑)。今時、本当に貴重な撮影でした。そんなみんなの空気はHDサイズの映像に凝縮されています。もうすぐ公開です。デジタルエンジニアリング全盛のモノづくりにひとつの提言をするような映像です。是非、見てください。おそらく40名近いスタッフのみなさん、本当におつかれさまでした。ほんとうにありがとう。1カット1カット大切に編集します。公開したらTwitterでお知らせします。

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